秀直です。
上げ潮が朝夕の2回のサイクルになったその日から当然のようにサーフィンも2ラウンドとなる。
夜明け前、うっすらと空が明るみを帯びてくる時間、野生の動物たちも合唱するかのように声をあげ一斉に目覚める。
風は無風、日中の酷暑が信じられないくらいのやや肌寒い空気。
じゃ行こか。
毎日猛獣のような食欲で皆をびっくりさせているアキラを連れて宿の門を開け徒歩2分のビーチへ向かう。
お決まりの面ツルに宿まで聞こえる波の音がすぐ目の前にあらわれる。
あるねー。
これもお決まりのようにしっかりとうねりが届き頭前後の波がそこら中でブレイクしている。
もちろん水温はぬるい。
真夏の気温なのにさらに水温の方がぬるいって想像できますか?
リップは厚く、水量も多い。
目の前のセットはまさに壁。
このコンディションにアキラも果敢にチャレンジ。
ゲティングアウトまで20分はかかるかなとお先にアウトでリラックスしている私。
少し心配しながらインサイドを振り返ると波のパワーに引き戻されながらも必死でアウトに向かうアキラ。
10分くらいだっただろうか、出れた!
波に上手く乗れるとか、凄い技を決めるとか、そういうことではない。
この必死で目の前の壁に立ち向かうその姿勢と強い気持ちこそ、その場にいる資格と価値があるのではないか。
2時間弱のチャレンジは、極上で最高の波に縦横無尽に乗りまくりビールの後のように気持ちよくなった私。
肩が回らくなるほどのパドルとセットのピークから何度も真っ逆さまにダイブするしかなかったアキラ。
一見対照的かと思うが、全力で立ち向かった後の爽快感と心地よさ、何にも代えがたい満足感は二人ともが心の底から味わった唯一無二の時間だったに相違ない。
コスタリカの海岸線に波が無いということはほぼ無い。
フラットかと思いきや、エントリーすれば海の神様がしっかりとうねりを届けてくれそこかしこに波をブレイクさせてくれる。
元々ハズレなんてないんだ。
ここにはサーファーが求める全てが揃っているのだ。
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