秀直です。
2日間のタマリンドでの調整を終え、再度ここへ戻ってこれた。
Whichis Rock
Roca Bruja
私にとってはすでに5回を越える来訪となったが、アキラ、いくみにとっては初めての体験だ。
早朝6時30分、Playa Coco Delから乗り込んだボートが岸を少しずつ離れ海底から突き出す岩場を過ぎスピードを上げていく。
サーフィンに行くのではないみたいと初めての二人は口にする。
サーフィンしなくても、もしくは出来なかったとしても私はそこに行く価値があると確信している。
途中、クジラが大きな背中を海原に盛り上げ私達を歓迎してくれるかのようなダンスを披露してくれた。
この大自然の驚異には眠気の残った瞳もこれ以上ないほどに大きく開かれたのは言うまでもない。
遠くにあの岩が見えてくる。
出た。
次第に大きくなるその姿に、サーフィンはおろか人生そのものの順風満帆なこれからを祈らずにはいられない。
この時季特有のストロングオフショアは朝一番の一瞬だけその顔を顰め、早くこの波に乗ってしまえと催促しているようだ。
チャンスは今この一瞬だけだ。
「行こう」の一言でボートから一斉にジャンプエントリー。
ブレイクするうねりの後ろからパドルする不思議な感覚は誰もが簡単に体感できるものではない。
そこに行こうと決心する強い意志が必要なんだ。
潮が浅いこの時間のブレイクはまだダンパー気味だが、それぞれが思いを込めてアタックを繰り返した。
30分、40分と時間が経つにつれ潮が押し寄せると同時に、ここに長居は禁物だと言わんばかりのストロングオフショアが吹き上がってくる。
波はもう頭を越えた。
セットを掴むチャンスを狙いポジションをキープしようと踏ん張るが、この風とカレントに中々耐えられない。
それでも思いを込めた一撃をとパドルイン!
走った。
100m向こうまではっきりと見えるレフトの壁がダウンザラインと共に反り上がった。
その瞬間、下から攻めてくるストロングオフショアと奥深いトンネルを形成しようと巻き上がる大量の水にボードが弾き飛ばされる。
抑え込もうと必死で体重をかけるも人間の力なんて遠く及ばない。
このワイプアウトがまた次の目標となっていく。
今回も素晴らしい体験に感謝で一杯だ。
ボートに戻った時にはうねりがゆうに頭を越えていた。
うねりをブレイクする後ろから眺めながら私達4名は物事を真正面から捉えると同時にその背景には何が隠されているのかをしっかりと考え想定しなければならないことを強く感じ取っていた。
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